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・韓国船社(150〜350TEU):1回の寄港で最低20〜30TEU、できれば40〜50TEU

・中国船社(400〜700TEU):100TEU/回、50〜70TEU/回

・台湾船社(1,300TEU):150TEU/回

・ベースカーゴの確保:貨物量の確保にあたって、輸入貨物の場合には、一定の人口集積があれば、航路開設後に中小荷主の利用が次第に促進され、貨物量が増加するという面があるのに対し、輸出については航路開設時点で、確実に利用が期待できる大手荷主の輸出貨物のあることが求められる。

・港湾の条件:ガントリークレーンがあり、40フィートコンテナの荷役が効率的にできること、自然条件がよい(強風や高波がない)ことなどが求められているが、比較的小型の日韓航路などでは、ジブクレーンなどでも対応可能である。また、コスト削減のため、パイロットやタグボートも利用しなくてよいことが望まれている。

・他港・他社との競合関係:近隣に同方面の航路が開設されている場合には、新規に航路を開設すると両航路が需要を食い合い、共倒れとなる懸念がある。

・既存航路から近接した立地条件にあり、寄港地追加に伴う航路距離の増加が最小限にとどまることが、航路開設に当たって有利な条件となっている。

 

<九州の港湾、特に長崎港における航路開設意向と求められる条件>

 

・貨物量の確保とベースカーゴの存在:基本的には、航路開設の第一条件である貨物量の確保が見込まれることが重要である。また、長崎港の海貨業者からは、新たなベースカーゴとして、全国第2位の水揚げを誇る販路を活用し、海産物の輸出入を拡大すべきとのアイディアが提案された。

・近隣港湾との関係:長崎港は、近隣に伊万里港があるため、伊万里港に航路を有する韓国船社からは、長崎港への延航には慎重にならざるを得ないとの認識が示された。別の韓国船社によれば、伊万里港との競合関係が問題となるが、熊本港や瀬戸内海などとの組み合わせにより、航路開設の可能性もあるとされる。長崎港と熊本港の組み合わせによる航路開設については、熊本は大手荷主が多く立地することから、熊本港整備の完成後の航路開設の可能性が期待されている。

・地元の取り組み:各地方自治体(港湾管理者)が積極的なポートセールスを展開しているが、一旦航路が開設されると、すぐに次の航路に目が行き、航路の利用促進と存続に対する取り組みが欠ける場合が多く、場合によってはさらなる航路開設によって共倒れとなる場合もある。

・なお、地方自治体等が積み荷保証などをする政策航路では、船社に営業努力のインセンティブが働きにくく、企業努力がおろそかになりがちであるとされている。

 

 

 

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