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また、別の荷主の場合、請求される港湾荷役料金は、デバンニングチャージとCYチャージで1TEUあたり約65,000円、さらに場合によっては港湾内のドレージ料が加わり約85,000円となる。これに通関手数料、取扱手数料等を加えると港湾関係経費で95,000〜105,000円程度の経費がかかり、これが海上運賃や国内輸送料(門司〜長崎)にほぼ匹敵することから、荷主側としては非常に割高な印象を持っている。

このほかには、中国からの輸入の際、上海港の搬入期限が、出港日前日から出港日3日前(指導では1週間前)となったことや、中国・華南向け輸出の際、香港→中国の税関のチェックが厳しく、日数を要する場合があることなどが指摘されている。

博多港や北九州港の利用については、大きな問題点は指摘されなかったが、港湾ストの問題、L/C決済するとフリータイムに書類(B/L)が間に合わず、蔵置料を徴収されることがあることなどがあげられた。

 

表4-6-2 長崎港利用の場合と北九州港(門司)利用の場合のコスト試算(1TEUあたり)

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注)上記は、ある荷主におけるコスト試算例である。配送先は長崎市内を想定。

 

(5)輸出入コンテナ貨物量の見通し

 

国内およびアジアにおける経済環境から、全般的には貨物量の増加は見込みにくいという意見が多い。取扱量増加を見込む企業は、中国現地生産の拡大や新規顧客の開拓を要因としてあげている。

 

(6)長崎港利用の可能性とその条作

 

今回ヒアリングを実施した企業は、基本的に地元の長崎港が利用できるのなら利用したいという意向は持っている。実際に利用が進まないのは、コスト面やサービス面での条件が他港の方が優れているためである。そこで、以下に長崎港利用の条件としてあげられた諸条件を整理する。

 

 

 

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