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また、情報システムは、普及することによって情報量(コンテンツ)が増大し、システム導入の効果が現れるという循環性を持つことから、普及の初期段階においては、一定期間のパソコンのリース、貸与、システムの無料利用など、システム普及にはずみをつけるような事業展開を行う。

・KIT改善活動への積極的な参加

KITをより使いやすいシステムとして九州管内に普及させていくため、(社)全日本トラック協会において行われているKITプログラム改善ワーキンググループなどに積極的に参画し、KIT改善要求を行っていく。その内容としては、Web型インターフェースの導入、GPS等の車両位置確認システムとの連携、海運情報の追加、組合参加に代わる個別企業による参加方法などが想定される。また、事業者間における情報の共有化に対する心理的な抵抗感を払拭するため、求貨・求車情報の匿名化も検討課題の1つとなる。

・KIT利用のための協同組合設立の推進

KITは従来取引関係のなかったトラック事業者間でも貨物・車両の相互融通を行おうとするものであることから、相互の信用を確保するため、協同組合単位で加入することとなっている。しかし、既存の協同組合には参加していない事業者もあり、また、協同組合に参加していても組合全体でKIT利用の合意が得られないこともある。このため、KIT利用を目的とした協同組合の設立を促進することで、KITを利用する事業者の拡大を図っていくことが求められる。

2)トラック事業者による地域内共同輸送

・事業推進組織の形成

トラック事業者による横の連携を強化し、事業者間の情報共有による地域内共同輸送を実現するため、業界団体などを中心とした事業推進組織を形成する。

事業者間での情報の共有化にあたっては、心理的な抵抗感が強いため、関係行政機関の積極的な支援が求められるとともに、各企業からは独立した直接企業情報には関与しない事業推進組織を設立し、さらに情報処理は外部に委託することなどにより、抵抗感を払拭することが考えられる。

・事業者間の情報共有による積合せ輸送システムの開発とモデル実験の実施

(社)全日本トラック協会で1998年度に検討されている「積合せ共同モデル」などの先進事例を参考に、物流共同化を推進し、積載効率の向上など物流効率化を図るための積合せ輸送システムを開発する。また、開発と並行して、共同化のモデル実験を行い、共同化効果の実証、システムの実用化を図る。

 

 

 

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