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の取扱いを開始したことにより、船社・海貨業者と比較して荷主の企業数が圧倒的に多いことや、海貨業者がトラック事業や倉庫業を兼営している場合も多いことを踏まえると、国内標準であるJTRNの普及が進めば、国際物流においても荷主と海貨業者・船社等とのEDI化は、JTRNをベースとして進展する可能性がある。

その場合、国際標準であるEDIFACTへの対応が求められる船社や通関業を兼営する海貨業者等においては、JTRN、EDIFACT双方への対応(トランスレータの導入等)が必要となる。

あるいは、POLINET、S.C./S.F.NET等がJTRN、EDIFACTのメッセージ変換サービスを提供すれば、利用者はPOLINET等固有のメッセージ、JTRN、EDIFACTのいずれかを選択できることとなり、一層のEDI化の進展が期待される。ただし、現在のところそうした対応の予定については公表されていない。

また、将来的には、各ネットワーク間の相互接続により、シームレスなEDIシステムの構築が期待される。

4]地域物流マネジメント計画

運輸省では、物流効率化のためのソフト・ハード両面にわたる総合的かつ計画的な取り組みとして、地域物流マネジメントのあり方を検討している。1998年度より4つのモデル都市を選定し、これらの都市での具体的なケーススタディを行い、地方公共団体の物流への主体的な取り組みことを支援していくとしている。

同研究会では、(1)国際物流の円滑な流通確保(2)地域間地域内物流の円滑な接続(3)都心物流の効率化(4)鉄道・海運の利用促進の4つのテーマを設定しており、モデル都市の1つに選定された北九州市では、「国際物流の円滑な流通確保」をメインテーマ、「鉄道・海運の利用促進」をサブテーマとしている。

こうした取り組みは、情報の共有化による国際物流の効率化に向けた取り組みの1つの契機になるものと期待される。

 

(4) 物流情報化の推進方策

 

1]国際物流関係者間におけるEDI化推進の合意形成

1999年に導入予定の次期海上システム(Sea-NACCS)においては、EDIFACTの利用が可能となるとともに、対象業務が通関業務以外にも大きく拡大される。また、同時に港湾管理者・港長への申請・届出業務にもEDIFACTを採用した情報システムが導入される。さらに海貨業者、船社等の港湾関係者間の共同利用型ネットワークPOLINETでも、既にJTRNやEDIFACTの取扱いを開始している。

このように、EDIFACTをベースとしたEDI化に向けた環境が整備されつつあるが、国際物流関係業務のEDI化を実際に推進するには、標準化された規約に基づき、多様

 

 

 

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