ヶ月調査)によれば、九州で生産・消費される輸出コンテナ貨物の42.0%、輸入コンテナ貨物の25.4%が神戸港・大阪港を中心とする九州域外の港湾で取り扱われている。その要因として、欧米等への基幹航路の充実度の違いとともに、小口混載サービスの相違があるものと考えられ、九州の港湾では小口混載サービスの提供に十分な貨物量が確保できないことがその理由としてあげられる。
こうしたことから、各海貨業者が個別に有している貨物情報を活用し、混載貨物の仕立て能力を高めるためには、海貨業者間の共同化を進め、情報化の進展により電子化された貨物情報の共有化を図ることが課題となる。
また、九州の港湾が、増加しつつある東南アジア・中国等からの輸入コンテナ貨物の輸入拠点としての役割を強化するためには、特に小口貨物の国内配送の効率化を図ることが重要であると考えられ、海貨業者間の共同化と貨物情報の共有化により、各地への配送の共同化と国内輸送コストの低減を図ることが求められる。
(3) 最新動向および先進事例
1]次期海上システム(Sea‐NACCS)の導入
海上貨物通関情報処理システム(Sea-NACCS:Nippon Automated Cargo Clearance System)に代わる次期海上システムが1999年度中に運用を開始する見込みである。
1)対象業務・業種の拡大
Sea-NACCSは既に97年より、厚生省の輸入食品監視支援システム(FAINS:Food Automated
Import notification and inspection Network System)、農林水産省の輸入植物検査手続電算処理システム(PQ-NETWORK:Plant Quarantine NETWORK)、動物検疫検査手続電算処理システム(ANIPAS:ANimal quarantine Inspection Procedure Automated System)と接続され、通関、食品検査、植物防疫、動物検疫の各業務が同一端末から処理可能となっている。さらに次期海上システムは、輸入では本船入港から貨物の船卸し、輸入申告・許可、国内への引き取りまで、輸出では保税地域への搬入から輸出申告・許可、船積み、出港までの一連の手続等161業務を対象とすることが既に確定している。これに伴い、システムの利用者は、税関・通関業者・銀行に加え、船社・船舶代理店・CY(ターミナル,オペレータ)・保税業者も含まれることとなる。
2)EDIFACTの採用、パッケージソフトの提供、通年運用等のEDI化の推進
また、同システムは、利用者の社内情報システムのデータを再入力なく活用できるよう開発が進められている。電文方式としては「Sea-NACCS EDI電文」と「UN/EDIFACT電文」の両方が使用でき、このうち「Sea-NACCS EDI電文」は全業務に対応している。データ送受信方式もインターネットに用いられるTCP/IPを採用し、利用者との接続形態についても、多様な方式が選択可能となっている。