さらに、九州発着の小口混載貨物(LCL貨物)の多くが神戸港等で取り扱われていることから、一連の情報化の進展により電子化された貨物情報を活用し、混載貨物の仕立て能力を高めたり、増加基調にある輸入コンテナ貨物の国内配送の効率化を図ることも、国際物流における九州の拠点性を向上させるための一つの戦略として考えられる。
(2) 物流情報化に向けた課題
1]海貨業者等の物流事業者におけるEDI化の促進
昨年度実施したアンケート調査によれば、国際物流を取り扱う運輸業者64社のうち、Sea-NACCSを利用しているのは31.3%である。これはSea-NACCSの利用対象が通関業者等に限定されていること、Sea-NACCS端末の設置は進展しつつあるもののの主要港湾のみにとどまっていることなどが要因となっている。
また、POLINETへの海貨業者の加入は三大湾および清水港のみ(1998年3月末現在)にとどまっており、アンケート調査(97年10月実施)においても、POLINET利用は64社中1社、S.C./S.F.NET利用は2社となっている。このように、共同利用型のネットワークの普及は三大湾と比較して遅れている。
こうしたことから、99年に予定される次期海上システムや港湾諸手続にかかる情報システムの導入を契機として、九州の国際物流にかかる物流事業者(海貨業者、通関業者、ターミナルオペレータ、船舶代理店等)における共同利用型ネットワークの普及を進め、三大湾や海外諸港に対する港湾の競争力を強化していく必要がある。
また、輸出入コンテナのターミナル〜保税倉庫・CFS間の輸送など、国際物流にかかる情報ネットワークの取扱対象外の業務についても、一般の国内輸送同様に、情報化を促進することにより、国際物流トータルでの情報化を促進することが求められる。