2]情報化相談窓口の設置
先に述べたとおり、経営者アンケート調査結果によれば、保有車両数15台未満の事業所では、行政・業界団体への期待として「情報化に関する相談窓口の設置」が最も多く、中小、特に零細な事業者においては、情報化に関して社内だけで十分な検討を行えない場合が多いことがわかる。
こうしたニーズに対応するため、例えば、九州トラック協会や各県トラック協会において、(社)全日本トラック協会等との連携や関係行政機関の協力を得つつ、情報化に関する相談窓口を設置することが求められる。その際には、事業者によって情報化の進展状況が異なることから、電話・FAXによる相談、ホームページの開設によるインターネット上での相談など、多様な手段を提供することが望ましい。
さらに、事業者のホームページ作成・公開を支援するなど、専門スタッフを配置して技術面からのサポートを行うことも考えられる。
こうした窓口の設置により、各事業者が情報化への取り組みに対して逡巡することなく、迅速に情報化の検討・導入に着手することが可能となる。
3]情報化に関する講演会・セミナーの九州での開催
現状では、講演会・セミナーが開催されているのは東京、大阪、名古屋が中心で、九州での実績はほとんどない。そこで、関係行政機関の協力のもと業界団体等が中心となり、情報化の啓蒙普及を図ることを目的として、中小の事業者を対象とした講演会・セミナーを九州において開催する。
なお、実施にあたっては対象者を明確にし(経営者対象、実務者対象)、それに合わせた内容で行うことが肝要である。中小の事業者においては、実務者よりも経営者において情報化への意識が低いことが課題となっているため、特に経営者に対して啓蒙・啓発を図る内容を検討する必要がある。また、情報化だけをテーマとするのではなく、経営者が関心を持つ他のテーマと合わせて開催することも効果的だと考えられる。
また、中小の事業者についてはパソコンやシステムに対するアレルギーをまず払拭することが必要であり、触って慣れてもらうような形式のものを開催することにより、基本的な情報化におけるリテラシー・意識を引き上げる取り組みも必要である。
4]情報化への経済的支援措置
中小事業者の多くは、EDI等の情報システムを導入する際の受け皿となる、パソコンやネットワークといった基本的な情報基盤が未整備なのが現状である。意識面での啓蒙や情報提供に加え、現実的な支援策も必要であり、関係行政機関や業界団体において、情報化投資に対する低利融資や情報機器のリースなどの経済的な支援についても検討することが求められる。