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共同集配センターにおける仕分け作業は、伝票に記入された住所に基づいて作業員や運転手が手作業で行っている。これについては、現在の取扱量4,000個/日程度であれば対応可能であるが、6,000〜7,000個/日となれば、自動仕分け機の導入が必要とされる。その際、統一バーコードが導入されていれば、(しかも個口ごとでなく、すべての貨物にバーコードが貼付されていれば、)大幅な業務効率化が期待できる。

一方、集荷業務については、各参加事業者への集荷依頼は、電話によって口頭で作業会社に依頼され、そこから無線で各運転手に伝達される。これを情報システムを通じて行うためには、各参加事業者に対応した情報システムの導入が必要であり、投資規模の点で、導入は予定されていない。

また、共同集配対象地区は22地区に分割して各担当運転手・車両が配置されており、情報システムを活用して臨機応変に配送計画を変更するといった対応は行われていない。繁忙期等においては、随時運転手・車両のシフト等を行っている。

<問題点>

特積みトラック事業者においては、集荷業務が重要な営業機会となっているため、大手事業者は独自に集荷業務を行っており、作業会社の取扱いは配送業務に偏っている。共同集配事業は、各参加事業者にとっては必ずしもコスト削減につながっていないこともこうした独自の動きの背景となっている。

さらに、景気低迷による貨物量の減少で、作業会社の経営状況は悪化しており、共同集配事業を継続するためには、都市交通の円滑化や中心市街地の活性化という観点から、将来的には第三セクター化等による公的な支援が必要と考えられている。

集荷業務や仕分け業務など、情報化による効果が期待される面もあるが、経営状況の改善がその前提条件となる。

3]トラック事業者による貨物・車両相互融通

1)KITの改良

求貨・求車情報システムであるKITは、1997年11月より大幅に改良され、それまでのDOS形式からWINDOWS95版として改められた。また、これまでのNTTのパソコン通信専用モデムから、汎用(MNP)モデム対応となり、通信スピードが大幅に短縮されたうえ、車両や荷物のデータ送受信の操作も一括して行えるようになった。

さらに、99年2月1日より、KITのバージョン6(KIT V6)が供用開始された。

 

 

 

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