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2)福岡市天神地区における共同集配事業

<事業概要>

福岡市天神地区では、特別積合せトラック事業者および金融機関の出資による天神地区共同輸送(株)が、商業業務集積地である天神地区の共同集配事業を行っている。

この事業は、1978年に配送効率化のためにトラック事業者27社等によって発足した共同輸送に端を発しており、その後事業収支の悪化等によるシステムの見直しを経て、94年に現在の作業会社が設立された。その際には、有力事業者に強力なりーダーが存在したことが、多数の事業者をとりまとめることができた大きな要因とされている。

現在、共同集配にはトラック事業者36社が参加しており、参加事業者は箱崎ふ頭に設置された共同集配センターにおいて作業会社(天神地区共同集配(株))と貨物の受け渡しを行い、天神地区への集配は作業会社が一括して行う(デパート便、航空便、クール便を除く)。共同配送センターは39バースを有し、30人の従業員と29台の集配車両(4トン車2台、2トン車24台、ルートバン2台、軽自動車1台)により事業を行っている。

 

図4-1-6 福岡市天神地区共同集配事業のシステム概要

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資料)「都市内物流効率化に向けて」運輸省運輸政策局貨物流通企画課

 

<情報化の現状>

作業会社の運転手および作業員は、各参加事業者の仕様に対応できるバーコードリーダーを持っており、配達確認、従業員の実績管理、運賃請求などに情報システムを利用している。配送を例に取ると、各参加事業者により共同集配センターに持ち込まれた貨物の伝票番号をバーコードリーダーで読みとり、事業者別の伝票番号リストを作成する。各運転手は、担当地区別に仕分けされた貨物を配送先に配達した時点で該当する伝票番号の消し込みを行う。各運転手には業績給が導入されており、この消し込みデータが各運転手の配達実績として計上される。また、どの運転手によっても伝票番号が消し混まれなかった貨物については、誤配送、転居先不明等のチェックが行われる。当該伝票番号データは、各参加事業者に対する運賃請求情報としても活用される。

 

 

 

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