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4]トラック事業者による地域内共同輸送

1)トラック事業者間の情報共有による積合わせ輸送システムの開発

経営者アンケート調査では、3割弱の経営者が物流情報化を推進するため「トラック事業者間の情報共有による積合わせ輸送システムの開発」が課題であるとしている。トラック事業者が主導して地域内で共同輸送を行う事例はほとんどないが、九州地域における新たな物流共同化への取り組みとして、トラック事業者間の情報共有を促進する積合わせ輸送システムの開発が求められているといえる。

2)企業情報の共有化に対する抵抗感の払拭

トラック事業者間での共同輸送の実現にあたっては、自社情報を競合他社に共有されることへの抵抗感が障害となる。そのため、各企業からは独立した事業推進組織を設立したり、さらに情報処理は外部に委託することなどにより、抵抗感を払拭することが必要である。

5]荷主による貨物・車両相互融通

本調査で特筆すべき情報化に向けた課題は特にない。

6]荷主による地域内共同配送

1)荷主サイドの物流共同化意識の向上

経営者アンケート調査では、物流共同化を推進するときの課題として4割弱の企業が「荷主業界の物流共同化意識の向上・協力」をあげ、「求貨・求車情報システムの普及・情報量の拡大」に次いで、荷主業界の意識向上を求めていることが明らかとなった。

荷主側に物流共同化の意識がない場合に物流事業者間だけで取り組んでも、共同化は容易には実現しないことから、物流共同化による物流コストの削減や環境負荷軽減の効果について荷主側に訴えかけ、物流共同化の気運を高めていくことが必要である。

2)企業情報の共有化に対する抵抗感の払拭

トラック事業者間の場合と同様、荷主による物流共同化の推進にあたっても、競合他社の情報と自社情報が共有されることに対する抵抗感が障害となる。そこで、各荷主企業の情報が競合他社に利用されないような仕組みを構築し、情報の共有化に対する抵抗感を払拭することが必要である。

 

 

 

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