(2) 物流情報化の目指す方向とその課題
ここでは、これまでの検討を踏まえ、次年度調査に向けて九州における物流情報化の目指す方向を検討するとともに、その推進に向けた課題を抽出する。
1]物流情報化の目指す方向
1)情報の共有化による物流共同化の促進
物流効率化の手段として複数の企業による物流の共同化が着目されている。流通面では地域の卸・小売業者による地域流通VANが既に構築されており、また、業界VANをベースとして共同配送を実施している例もあることから、地域における物流共同化を促進する際には、情報ネットワークの活用が有効であると考えられる。
また、トラック輸送においては、貨物・車両の相互融通等を目的としたKIT、ローカルネットワークシステムなどを通じた共同化が取り組まれている。特に九州における地域的な取り組みという観点から、既に福岡市天神地区で実施されている地域共同集配や、主に九州域内輸送を対象とした積合せ輸送・帰り荷融通のために、情報ネットワークを活用することが想定される。
こうしたことから、共同利用型の情報ネットワークの構築を通じて企業間の情報の共有化を図り、九州域内全般、あるいは特定地区における物流共同化を促進していくことが重要と考えられる。