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近年ではパソコン端末も低廉化し、また国内EDI標準メッセージの開発など、ソフト的にも標準化の動きが進展してきたが、これまでは各企業が独自に情報化に取り組んできたため、特に中小事業者においては、機器の整備やシステム開発など、ハード、ソフトの初期投資が情報化への取り組みにおいて大きなハードルとなっていた。

<費用対効果の不明確さ>

情報機器の導入・維持、システムの開発・維持、通信等のコストに対して、その効果が見合うものかの見極めが難しいことが、情報化の阻害要因の一つとなっていると考えられる。

また、効果が自社内にとどまらず取引先企業に及ぶ場合にも、それらが運賃や料金に転嫁されない場合が多く、このことが情報化投資を阻害している可能性がある。

<人材の不足>

情報システムの開発には、物流・情報化両面の知識を有する人材の確保が必要であり、また、機器の使用方法等について従業員への教育も必要となることが、特に中小企業における情報化推進時の課題と考えられる。

<情報の共有化への抵抗感>

KITなど共同利用型のオープンシステムの導入は、営業情報を社外に公開することへの抵抗感の強さが普及にあたって課題の一つとなっている。

<九州における取り組みの制約>

全国展開している企業の情報システムは、東京等の本社が管轄しており、九州だけでの取り組みには限界がある。また、地域毎に広域的な物流体系を構築する動きが活発化する中で、九州の物流が域内で完結しないケースが多くなり、中国・四国など他地域との連携を図る必要がある。

図2-1-6 運輸業における社内情報システムを利用しない理由

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