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導通点検の場合、一般的には船体を片線として利用する。心線の一端を接地し、他端でテスタにより検出し確認する。

結線番号でよくまちがえるのは1と7、3と8、6と9である。急がずに一つ一つ確実に点検すること。

結線工事に不良箇所がないか目視あるいは心線を動かしたりして点検する。

線端処理、端子の圧着状態、亀裂、心線の整理・固縛、絶縁間隔、締付状態などについても確認する。締付状態は増し締めにより確認する。またその時、緩み止めのばね座金、舌付座金などが抜けていないかチェックする。

(5) 給油

機器にオイルやグリースを入れる場合は、メーカーの取扱説明書どおりの銘柄かを確認する。

 

7-3-4 電路の絶縁抵抗試験

艤装工事の後の点検が終わったら、設備・機器の作動運転試験の前後に給電回路及び船内通信・信号回路の絶縁抵抗を計測し、<表 7-3-1>の基準に適合していることを確認する。ただし、この表は最低必要条件を示しているので、新造時にはこの値より高い計測値が出ることが望ましい。

 

<表 7-3-1>絶縁抵抗(船舶設備規程)

434-1.gif

(注) 火災探知装置については、警報装置の電源端子と筐体間及び探知器の端子と筐体間の絶縁抵抗は、20MΩ以上であること(船舶検査心得 3-1;298.0(a))

計測は 500V絶縁抵抗計によることになっているが、弱電機器のほとんどは半導体回路が使用されているので、これの使用ができないものがあるため試験方法についてメーカー及び検査機関などと十分協議し、テスターで測定するなどの注意が必要である。

 

7-3-5 作動運転試験

海上運転を行う前には、メーカーの取扱説明書などにより機器の調整、作動運転試験を行う。海上運転時の機器の故障とか調整不良は、その箇所を特定し、修理、調整するのにかなりの時間、労力を費やすばかりでなく、船主、造船所、検査機関など関係者に多大の迷惑をかけるので、作動運転試験は完全無欠を期さなければならない。

 

 

 

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