(3) 空中線部の防水処理
空中線への浸水の原因の一つに呼吸作用による水の吸い込み現象がある。ペデスタルには空気穴を設けたものもあるが、呼吸による結露を避ける意味で完全密閉に近い構造もある。空中線は屋外装備機器なので温度差の影響を大きく受ける。つまり、雨などに当たってレドーム外面が濡れ、そこに風が当たると気化熱が奪われて急激に冷やされるので、内部の空気の体積が縮まって負圧になる。密閉構造のものの内部が負圧になると、どこかに隙間があれば吸い込みを起こし、雨水や海水が内部に浸入してくる。
一度入った水はほとんど出てゆくことはなく、故障するまで溜まっていく。したがって、ペデスタルカバーの締付けは言うに及ばず、その他工事上の細かい注意が必要となる。
空中線部の防水処理方法の一例を<図 5-7-3>によって次に説明する。