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第5章 空中線の取付工事(接地を含む)

 

各機器の空中線の取付場所の決定に当たっては、無線機メーカーの工事要領に従うことを原則とする。しかしながら、限られたスペースに多くの空中線を配置しなければならず、しかも、各空中線を効率よく、装置の性能を十分に発揮させ得るよう、かつ、相互の干渉がないように、さらに、非常の際にも通信機能を確保できるなどの条件を満足させるよう考慮して配置を行わねばならないので、各空中線の性能を100 %満足させることは難しい。このため船主、運用者、無線機メーカーと十分協議して取付場所を決定する必要がある。

 

5-1 空中線配置要領

ここでは、主としてGMDSS用無線設備の空中線の配置に当たっての一般的な注意事項をあげる。

なお、インマルサットCアンテナ、自立形アンテナ、垂直ダイポールアンテナなどについては、5-2以降を参照のこと。

(1) 空中線は、できるだけ高い位置に装備するとともに、送信用と受信用の距離をできるだけ離すこと。

(2) 空中線の相互干渉を少なくするために分散して装備するとともに、空中線の間隔をできるだけ離して装備すること。

(3) 受信空中線は妨害雑音の影響を受けないように送信空中線や雑音発生源からできるだけ離し分散して装備すること。

(4) 空中線(引込部分を含む。)は、煙突、マスト、デリック、ステー、汽笛などの金属製船体構造物からできるだけ離して装備又は展張すること。

(5) 空中線及びその引込線は、船灯、信号灯の射光を妨げず、かつ、風浪などによって振れたり、わん曲しても信号旗や他の構造物に接触しない位置に装備すること。

(6) 油タンカー、LPGタンカーでは、送信空中線は貨物油蒸気開口部から3m以上離すこと。(IEC Type Dのケミカルタンカーの場合は 4.5m以上)

 

 

 

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