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(4) 電子機器の不要波

電子機器内部で発生したり、外部へ放射する不要な信号がある。抵抗やトランジスターなどから発生する雑音のようにランダムな変動はしないが不要な信号成分なので障害となる。それらの主なものについて述べる。

相互変調、混変調─電子回路に過大な入力が加わると信号が飽和する。異なる周波数の複数の信号が入力すると相互に干渉して多数の不要波が発生する。

スプリアス発射─送信機から所用の電波の他に不必要な電波(スプリアス)を発射することがある。スプリアス電波は主要波の高調波、低調波、分数波および寄生波などがある。

帯域外発射─送信機から発射する電波は規定の周波数帯域内に納まることが要求されるがフィルターの遮断特性などからその帯域外の近接した周波数のエネルギーが漏れることがある。

イメージ妨害─スーパーヘテロダイン固有の妨害波で、中間周波数のイメージ(影像)成分の入力まで受信してしまう現象を言う。高周波増幅器にフィルターを挿入することから除去できる。

電源ドロップ─電源電圧が一時的に低下したときの動作不良で、電源が回復しても動作が戻らない場合がある。

 

12.5 水中雑音

12.5.1 水中雑音の種類

ソナー、魚群探知機などの水中音響機器には、船の機関や船体振動による雑音、船の走航による乱流や泡発生による雑音の他に波や風など自然現象による雑音から魚の鳴声などの生物発生雑音など種々の雑音が検出される。<図12.5.1>に水中音響機器の出力となる雑音の分類を示す。この中には自船以外の船が発生する雑音も含まれる。一般に周波数が高くなるほど雑音レベルは低下する。

 

 

 

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