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12.4.2 イミュニティの測定法

(1) 放射性イミュニティの測定法

妨害電波の発生源から空中に放射された雑音電波は直接電子機器の回路や筐体に誘導される場合と、電源や信号ケーブル線に誘導されてから妨害電流又は妨害電圧となって回路内に侵入する場合とがある。空中を経由して電子機器に侵入する妨害電波に対するイミュニティは妨害波発生用アンテナから放射される妨害波電界の中に被測定機器をおいて測定される。<図12.4.2>に放射性イミュニティの測定法の構成図を示す。

 

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<図 12.4.2>放射性イミュニティの測定法

 

被測定機器(EUT)に対応して10 kHz〜1GHzの広い周波数範囲を測定する必要があるのでアンテナにはダイポールアンテナ、バイコニカルアンテナ、ログペリオディクアンテナ、ホーンアンテナなどが使用される。妨害波には連続波、変調波が用いられる。EUTの場所で均一な一定電界(3V/mなど)を発生させる必要がある。

ターンテーブル上のEUTを回転させながら動作を観測する。

電波暗室が使用できない場合や強い電磁界で放射する場合はセルを使用する。<図12.4.3>はTEMセル(テムセル)とよぶ試験装置で同軸ケーブルを広げた構造をしている。中心導体板の下に被試験機器を挿入する。外部に電波が漏れないので電波暗室が不用であり、強い均一電界を掛けることができる。さらに直流からマイクロ波までテストできる。ただし、被試験機器の大きさが制限され、機器を挿入するため電界分布が不均一となる欠点がある。

 

 

 

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