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12.3 人体感電と電磁波の許容値

12.3.1 人体感電

電気が人体に加わると感電する。電気刺激の強さにより感覚が異なり、感電死にいたることがある。人体に帯電したままドアに触れれるとショックを感ずる。<表12.3.1>は人体に静電気が帯電したとき放電による電撃を示す。マイクロ波ダイオードなどは帯電した手で触れると破壊するので人体の放電をしてから触れる必要がある。直接人体に電流が流れる場合は皮膚の火傷や心臓の機能停止となることがある。特に心臓や脳には数10mA程度の弱い電流でも危険だと言われている。

 

<表 12.3.1>人体帯電と電撃の程度

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(注) 人体の静電容量を90pFと仮定した。

 

12.3.2 電磁波の生体への影響

電磁波が生体に与える影響には強い電波を浴びたときの体温上昇による「熱効果」と弱い電波でも神経的や生理的などに影響を与える「非熱効果」とがある。熱効果は定量的に評価できる。現在、規定されている電波の許容値は熱効果に対してのみである。非熱効果はめまい、吐き気、心臓の動悸あるいは生殖機能低下などを生ずるがまだ定量的な評価がなされていない。

 

 

 

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