第12章 雑音・電波障害
12.1 電磁環境と電波障害
12.1.1 電磁的両立性(Electro-Magnetic Compatibility)
テレビ、通信、レーダは電波を使う情報機器である。電子レンジ、蛍光灯、電動機などからも電波が放射される。我々は無数の電波がある環境のなかで日常生活をしている。電磁的両立性(EMC)は国際電気標準会議(IEC)で「許容できないような電磁妨害波を、いかなるものに対しても与えず、かつ、その電磁環境において満足に機能するための、機器・装置またはシステムの能力」と定義している。
<図12.1.1>にEMCの概念を示す。利用者にとって雑音は障害となるが雑音の研究者にとっては雑音は必要信号であり、レーダでは不要な海面反射も波の研究者には波クラッターは重要な情報であることから電波を必要と不要電波に分けている(郵政省)。EMCとは各種の機器・システムが電磁環境内で仲良く共存することである。