配線図には、一般に、次の事項が織り込まれる。
(a) 電気機器概略配置及びシンボル配置
(b) 電線布設概略場所
(c) 主な船体構造物、内装品及び機器類
(d) 系統図に記載の回路符号、電線種別及び通過電線本数
(e) 電線布設基準点からの電線の行き先
(f) 電線貫通金物の使用場所の指定及び電線貫通金物の種類
(g) 電線管使用場所の指定及びサイズなどの種類
電線の布設場所は、多数の電線が通過する主電路については、主電路計画図で、1本あるいは数本の電線が通過する支電路については、本配線図にて概略を指示する。
電線は、できるだけ近寄りやすい場所に直線状に布設し、ロンジ、ガータ、ビーム、フレームなど船殻構造部材を利用して機械的損傷を受けないように計画する。
配線図作成に当たっては、「工事編」第2章に記載の事項を注意しておくこと。
10.3.2 配線表
電線長さは、一般に、船の電装工数算定の基礎となるものであるから、その計測及び集計には注意が必要である。
電線の手配は、造船所の建造工程により異なるが、「電線予量表」作成→「電線確定数量表」作成→「電線切断表」作成、のような工程を経て行われる。
電線予量表は、早期艤装の採用などにより、現場の電線布設時期と電線メーカーの製造時期を考慮した発注時期に、電線計測集計作業が終了しない場合があるので、早期に電線を発注するための手段として機能設計段階で作成された系統図、配置図、主電路計画図を基に、概略の電線長さを計測、集計して予定数量を算出する。この時点での集計は、既建造船の実績数量を参考にしたりして行うので、確定数量ではない。