10.2.3 電路系統図
造船所によって区分などが異なるが、一般に次のように分類して作成する。
(a) 主電路系統図(電源装置・動力装置を含む)
(b) 照明装置電路系統図
(c) 船内通信装置電路系統図
(d) 航海装置電路系統図
(e) 無線装置電路系統図
(f) 計測制御装置電路系統図
(g) 火災警報装置電路系統図
電路系統図には、装備されるすべての機器の装備場所と員数、機器間を接続する電線の種類、電源の種類、遮断器の設定値など電装工事に必要な情報を織り込んだ基幹図である。
機器の内部回路は表示しないが、配電盤、分電箱など主要な給電回路では内部回路の分岐方法や、スイッチ、ヒューズ、遮断器の容量及び設定値を必要に応じて表示する。
電路系統図に記載の機器は、JIS F 8011〜8013に記載の船用電気図記号を用いて表示する。これらの電路系統図の作成に当たっては、次の点を考慮して設計する。
(a) 簡単にして理解しやすいこと。
(b) 合理的なシステムであること。
(c) 保護協調が得やすいこと。
(d) 材料面で経済的であること。
(e) 艤装工事及び保守点検が容易であること。
系統図は、管海官庁、船級協会並びに船主に承認を得るために提出され、艤装設計の基幹図となる。また、その他艤装工数の算出資料として、建造仕様書とともに予算書作成の基礎資料となる。
無線装置電路系統図(国際VHF無線電話)の一例を<図 10.2.2>に示す。