日本財団 図書館


制御・表示盤は、操舵室、火災制御室、機関制御室などに設けられ、探知器が作動した場合に、火災の発生及びその位置を探知区域ごと(*)に自動的に表示し、警報を発するような機能を備えている。

(*)火災場所の表示は、早期発見と処置の観点からすると、探知器ごとにするのが理想的であるが、大型船の場合、装備する探知器の数が多くなり表示盤が大型になることや発見に手間取ることなどから、これまでは、探知器をグループ化し探知区域ごとに表示を行っていた。しかしながら、近年、電子機器の発展により、コンピュータの使用により小型化され、探知器ごとに表示できるような装置も製品化されている。

なお、船舶の火災、特に機関室内の火災が後を絶たないが、火災によるリスクを軽減する目的で集中的に火災を制御できる“付加的な消防設備”を設ける場合の標準がNKにより制定されている。この標準は、規則で設置要件のある設備に加え、機関室内で発生する火災の“モニター装置及び局所消火装置”などの設備を要求し、これらすべての防火、消火設備を総合的火災制御場所から集中的に遠隔監視及び遠隔制御することにより、火災発生を早期に知り、安全で迅速な初期消火を行えることを目指したものである。

 

7.2.3 消火剤放出警報

消火剤放出警報は、区域への消火剤の緊急放出の警告を与える警報である。消火剤としては炭酸ガスや泡が使用されているが、炭酸ガスの場合は、人間にとって危険な薬剤であるので、放出前に可聴警報を発生させ、一定の遅延時間(人が放出区域を脱出するに要する時間=20秒以上)の後に作動させる必要がある。

本装置は、消火装置の起動装置からの信号(リミットスイッチなど)と放出区域内の人に警告を与える可聴警報装置とで構成される。

なお、消火剤放出警報を発する時には、火災の延焼を防止するため、非常停止装置と連動させてファンや燃料ポンプなどを停止させるようにする。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION