6.2 船内指令装置(操船指令装置)
船内での情報の伝達手段として電話装置があるが、乗組員相互間ばかりでなく、より広範囲の乗船者を対象とする伝達手段として船内指令装置がある。
この装置は、船内の特定場所にいる者に対するグループ呼出し、全乗船者に対する一斉指令、あるいは船橋、船首及び船尾の乗組員に対する操船指令の同時伝達などができ、目的に応じてその機能が選択される。また、船種・船型によっては、複数の装置を有機的に結合させている。特に、カーフェリーや客船のような場合は、高音質で音楽を楽しめるような装置と併用したものもある。
指令はマイクによるが、船橋のマイクが最優先となっている。他の場所のマイクを使用するとき、ラジオやテープなどを選択するときは、入力切替スイッチで選択する。船首や船尾からのマイク入力回路は、ケーブルが長くなるので、バランスのとれた平衡入力回路で構成されている。
この装置への入力として、自動式電話機の自動交換機からのページング入力がある。これは自動式電話機で、一般的には、0番をダイヤルすると、船内指令装置に優先的に接続され、必要な通報を電話機から行うことができる機能である。
船内指令装置の構成の一例を<図 6.2.1>に示す。