4.3 インマルサット高機能グループ呼出受信機
インマルサット高機能グループ呼出(EGC:Enhanced Group Calling )受信機は、陸上から送られてくる Safety-Net といわれる海上安全情報及び Fleet-Netといわれる商業的情報を受信するものである。この装置はインマルサットC船舶地球局に付加して専用聴守ができるもので、海上安全情報の無休聴守のためナブテックスのカバレージ外を航行する船舶に搭載が義務付けられている。ただし、インマルサットC船舶地球局にはEGC受信機能が含まれているので、インマルサットC船舶地球局が装備されている場合は、インマルサット高機能グループ呼出受信機を装備しなくても、装備されているものと見做される。
緊急、遭難メッセージや航行上の警報が受信されると、直ちに受信表示がなされ、印字される。インマルサットEGC受信機に対するメッセージサービスとしては、次の3種がある。
(1) Safety-Net サービス
海上保安庁、気象庁などIMOが認めた情報提供機関による陸上から船舶への海上保安情報の放送で、無料提供される。その内容には、次のものがある。
(a) 航行警報(水路機関)
(b) 気象警報、予報(気象機関)
(c) 陸上→船舶向け遭難情報、その他の緊急情報(救助調整本部:RCC;Rescue Cordination Center )
(d) ナブテックスの再放送
(e) 流氷警報(ICE PATROL)
(2) Fleet-Net サービス
加入者対象の商用放送で、船会社、政府等の許可された情報提供業者がCESと契約し、特定のグループのSESに対して放送を行う。受信は有料であり、放送内容には次のものがある。
(a) 全社船に対する一斉放送
(b) ニュース、娯楽放送
(c) 電子海図の修正情報、気象情報
(d) 商品市況
(e) 自国籍船に対する一斉放送