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3.19 ソナー

ソナーは、船底に配置された音波送受波器により発射された音波の反射波を受信し、演算することにより、水中の周囲を探知する装置で、レーダーと同様に反射物体の方向、距離、エコーの強さを指示器のブラウン管上に表示するものである。

スキャニングソナーは、音波送受波器を構成する円筒形に配置した多数の音波振動素子を、電子的に旋回させながら同時に音波を発射して、自船の周囲を一瞬に探査することができる装置である。この装置では、また、音波を、振動素子に位相差を付けることによって、斜め方向にも発射することができ、水中のあらゆる方向を探査することができる。

水中に発射された音波の反射波の受信は、音波振動素子のいくつかの信号を合成して1つのビームを形成させながら、そのビームを電子的に旋回させて行う。受信ビームの形成方式には、ビーム形成器によるスキャン方式と、ドップラ効果によってビームを形成するダイナミックスキャン方式の2つがあるが、後者は、簡単な回路構成で高分解能の映像を得ることができ、かつ、遠距離探知能力も損なわないなどの特長を有する。

ソナーの構成、装備場所については、3.6を参照

 

099-1.gif

<図 3.19.1>送受波器

 

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<図 3.19.2>位相差方式による音波の方向制御

 

 

 

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