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IMOでは、1979年以降海上遭難安全通信手段を改善するため、最新の技術を導入した全世界的な海上遭難安全システム(GMDSS:Global Maritime Distless and Safety System)の検討が行われていたが、1988年11月GMDSSの導入に関し、SOLAS条約第III章(救命設備)、第IV章(無線通信)、第V章(航行の安全)を中心に大幅な改正が行われ、1992年2月1日以降順次施行されている。

この改正の中で、遭難船や生存艇(救命艇と救命いかだ)にはレーダー・トランスポンダーを搭載して、それらへのホーミングには、従来の方向探知器や中波のホーミング装置(実質的には、この両者を合わせた方向探知器を使用する。)に代わってレーダー・トランスポンダーが使用されることになった。

このレーダー・トランスポンダーは、9GHz(波長3cm)帯のレーダー信号に応答する様になっているので、これに対応してSOLAS条約の第V章も改正され、船舶への搭載を義務づけられているレーダー(2台のレーダーの搭載を義務づけられているときには、そのうちの1台)は、1995年2月1日以後は、9GHz(波長3cm)帯のものでなければならないことになった。

1974年SOLAS条約の1988年改正により、1995年(平成7年)2月1日以降は、9GHz(波長3cm)帯レーダーを装備すべき船舶が総トン数 500トン以上の船舶から、国際航海に従事する旅客船及び総トン数 300トン以上の船舶に拡大された。

 

 

 

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