(1) はじめに
9GHzの捜索救助用トランスポンダー(SART)は、関連のCCIRの勧告の要件と決議A.569(14)に規定する一般要件に加えて次の性能標準に適合すること。
(2) 一 般
SARTは、連続の点の方法で救助隊のレーダーに遭難者の位置を示すことができること。同時に以下の条件も満たすこと。
(a) SARTは次の機能を備えていること。
1] 非熟練者でも容易に始動できること。
2] 不用意な始動を防ぐ手段を備えていること。
3] 正しく動作していることを示し、さらに、レーダーがSARTをトリガしている事実を遭難者に知らせる可視又は可聴、あるいはその両方の機能を備えていること。
4] 手動で動作と動作中止ができること;自動動作の準備が含まれることもある。
5] 送信待ちの状態の指示が備えてあること。
6] 20mの高さから水中に落下しても損傷しないこと。
7] 少なくとも5分間、10mの水圧でも水密であること。
8] 規定の水没状態で45℃の急激な温度変化があっても水密を保つこと。
9] 生存艇の一部となっていない場合は、浮くことができること。
10] 装置が浮くことができる場合、係留に適する浮くロープを備えること。
11] 海水と油の過度の影響を受けないこと。
12] 太陽への長期の暴露で劣化しないこと。
13] 見付けやすいように全表面は黄色/オレンジ色のものとすること。
14] 生存艇を傷付けないよう外部構造は平滑なこと。
(b) SARTは96時間の送信待ちの状態に加えて、送信待ちの時間のあと、
1KHzのパルス繰返数で連続して呼掛けられたときに8時間のトランスポンダーの送信ができる十分な電池容量をもつこと。
(c) SARTは-20℃〜+55℃の周囲温度で動作できるよう設計すること。また、-30℃〜+65℃の温度範囲を通して保存で損傷しないこと。
(d) SARTの空中線の装備高さは少なくとも海面上1m以上であること。
(e) 垂直空中線の垂直指向性と装置の水力特性はきびしい海象状態で、SARTが捜索レーダーに応答できるものであること。空中線の水平指向性は実質的に全方向性であること。送信と受信には水平偏波を使用すること。