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この406MHz EPIRBの定期点検において、このコード化の内容の点検は重要である。通常は、この406MHz EPIRBの点検をするためのEPIRBテスターが使用され、このテスターの場合、406MHz EPIRBの主要性能の点検と併せて、そのテスターによっても異なるが、12進112ビットを4ビットづつに区切って(区切り方に注意)、16進表示で示すことが多い。16進を2進に変換し(表2・11)、修正Baudot(2進6桁で英字と数字などを表示し、表2・12)も併用して送信メッセージが読取れる。

なお、無線通信規則の付録37A(搬送波周波数121.5/243MHzで運用するEPIRBの技術特性)の概要は次の通り。

(a) 発射は通常の空中線位置で垂直偏波で、水平面が無指向性のこと。

(b) 最小の変調度0.85で振幅変調(最小の衝撃係数は33%)すること。

(c) 送信は1600Hzから300Hzまでの間を700Hzを下回らない範囲で低い方に、毎秒2〜4回の掃引する振幅変調をする。

(d) 変調側波帯成分と明確に区別される搬送波成分を含み、電力の少なくとも30%は搬送波周波数の±30Hz(243MHzは±60Hz)の範囲内に含まれていること。

(e) 発射の種別はA3Xとするが、無線標識の正確な位置測定を害しなければ上の(a)、(c)と(d)を満たす変調型式でも良い。

このEPIRBの送信周波数の406MHz帯は地上のシステムはその受信機をもっていないので、メッセージのビット84〜85から分かるように、このEPIRBでは、海上に浮いているなどのEPIRBにホーミングするための121.5MHz、次節で述べるレーダー・トランスポンターその他の遭難信号を同時に送信しても良いことになっている。これに対してわが国のEPIRBはその様な送信をしてはいけないことにきめられていた。しかし、わが国を除く世界のほとんどのEPIRBは121.5MHzの送信が組込まれている。GMDSS発効後のIMOの審議において、新しく船舶に装備される406MHzEPIRBへの121.5MHzの遭難信号の同時送信が義務付けられることになった。

これを受けて、平成6年11月4日以降船舶に装備されるものは船舶救命設備規則第39条第1号の改正で、航空機によるホーミング信号として121.5MHzの送信装置が付加された。

(3) 小型船舶用極軌道衛星利用非常用位置指示無線標識装置

前項のEPIRBへの121.5MHz信号の導入と機を同じくして、従来は大型船舶と同じEPIRBが装備されていた総トン数20トン未満の小型船舶と小型漁船に新しく小型船舶用のEPIRBが導入された。この小型船舶用のEPIRBは、大型船舶用に比べて次の点で簡易化されている。

1] 連続作動時間が48時間以上から24時間以上と半減され、低容量の電池の使用ができる。

2] 落下試験の高さが20mから5mと低くなり、構造の簡易化が可能となった。

3] 水密度が深さ10mで5分間から、深さ2mで5分間に変わった。

 

 

 

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