2・2・2 VHFデジタル選択呼出装置
デジタル技術を用いて、VHF無線装置に接続して使用する装置で、当初より無線装置に組み込まれている場合もある。船舶局と海岸局、船舶局相互の呼出し・応答に供するものである。
呼出しは、遭難呼出し、全船呼出し、海域呼出し、個別呼出し等の種類がある。更に遭難の場合は、遭難の位置、遭難の原因等の情報を含めることになっている。本装置はこの呼出信号を受信すると、これらの情報を表示し、印字し、必要に応じて応答信号を送信すると共に、遭難呼出し等の重要な呼出の場合には警報を発する機能を持っている。同装置の性能は船舶設備規程第146条の34の4(及び関連の船舶検査心得)と無線設備規則の第40条の第3項(及び関連の郵政省告示)に規定されている。
主な性能要件を次に示す。
(1) 変調速度 1200ボー
(2) 変調/復調周波数 マーク 1300Hz スペース 2100Hz
(3) タイムダイバシティの時間間隔 331/3ms
(4) 遭難周波数 156.525MHz(70ch)
(5) 周波数偏差 10×10-6 以内
(6) 空中線電力 6W以上25W以下
(7) 誤字率 受信機入力電圧が1マイクロボルトの信号を受信したとき1×10-2以下
(8) 記憶容量 受信された遭難呼出しが直ちに印刷されない場合には、20件以上の遭難呼出しを記憶
(9) 警報装置 呼出しを受信した場合は、可視、可聴の警報(遭難呼出し等の緊急呼出しを受信した場合には特別な可視、可聴の警報)を発する機能
2・2・3 VHFデジタル選択呼出聴守装置
遭難通報、安全呼出しのデジタル選択呼出し(DSC)用のVHF周波数を自動的に受信し、DSCによる遭難通報、緊急通報を受けると警報を発し、これらの情報を表示し、印字する装置である。