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DSC装置は、少なくとも一つの遭難警報の周波数にプリセットでき、遭難呼出しは単一周波数で連続5回を3.5〜4.5分の不規則遅延で送出し、その後、異なる周波数で反復もでき、MFで1波、HFで5波の最大限6遭難周波数で連続送信し、同時にVHFでも送信し、これらは3.5〜4.5分の不規則遅延で送出してもよい。これらの送信手順はその送信の間には、その呼出しを受信したという確認を遭難船舶が受信することを考えているからである。これらの遭難呼出しをするオペレータは、希望する通信モードと遭難の種類と遭難位置を入力し、使用周波数を選択して、簡単な操作による遭難呼出しを試みることになる。DSC装置は適切な遭難周波数の遭難呼出しを24時間聴守できる。その受信をしたときには1〜2.5分後に(VHFのときはできるだけ速やかに)同じ周波数で受信の確認を手動で送信をするとともに、海岸局が受信の確認を送信しないときは、その遭難呼出しの遭難中継を適当な海岸局に送信するなどの受信側の手順も規定されている。

デジタル選択呼出しシステムの特性及びその運用は以下のとおりである。

(1) 特 性

(a) 発射の種別、周波数偏移及び変調速度

1] MF及びHFのチャンネルで使用する場合は、F1B又はJ2Bで100ボーの速度。SSB送信機の入力にオーディオ信号を入れて周波数シフトキーイングを行う場合には、送信機へのオーディオ周波数スペクトルの中心は、1700Hzである。

2] VHFチャンネルで使用する変調する副搬送波の周波数偏移は6dB/オクターブのプリエンファシスの周波数変調

──周波数偏移は1300Hzと2100Hzとの間

副搬送波は1700Hzにあること

──1300Hzと2100Hzのトーンの周波数許容偏差は±10Hzであること

──変調速度は1200ボーであること

──変調指数は20±10%であること

(b) MF及びHF帯の送信機及び受信機の周波数の許容偏差

──海岸局±10Hz

──船舶局±10Hz

──受信機のバンド幅は、300Hzを超えないこと

(2) 運用

1] デジタル選択呼出しによる呼出しの内容は、その呼出しが宛てられる局の数字による宛先、送信局の自局識別及び呼出しの目的を示す情報を含んでいる。

 

 

 

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