日本財団 図書館


衛星はこれら通信の中枢機能の役割を果たしている。現在のこれらの運用をしている衛星は、図9・3と表9・1に示す位置にあり、従来の衛星より3〜4倍のチャンネル容量を持つ第2世代の衛星であるが、予備衛星としてまだ従来の第1世代の衛星が残っている。これらの衛星及び1995年頃に打上げを目指している第3世代の衛星を含めて、それらの衛星の諸元を表9・2に示す。第3世代の衛星は開発中で、1]スポットビームの空中線をもつので、一部の海域で小さい利用者の空中線が使用できる2]大型で中継容量が大きくなる3]航法用の中継器をもっていて、GPSの業務の補充ができる4]衛星の故障の自己診断をして、それを利用者に警報できる。

インマルサットの主要業務としては、その開設以来続いている電話、テレックス、ファクシミリ(FAX)を中心とし、移動局には80〜100cm径のパラボラ空中線を使用する標準Aが使用されてきたが、GMDSSの導入を契機に、無指向性空中線を主体とし、テレックスによるメッセージ通信のみを行う標準Cが導入され、遭難・安全通信ではむしろこのほうが主体になってきている。

 

表9・1 インマルサットシステムの衛星配置

194-1.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION