同図A点の電圧V0がツェナーダイオードD1の降伏電圧よりも高くなったとすると、D1にR3を通して電流が流れ始める。V0からR3による電圧降下分を引いた値がD1の降伏電圧よりも高ければD1には電流が流れつづけ、TR1のエミッタ電圧はD1の降伏電圧に維持されることになる。一方、TR1のベース電圧VBはR2×V0/(R1+R2)で表され、V0の値によって変動する。V0が高くなるとVBも高くなりTR1のVBEが増す。そのためTR1のコレクター電流が増加し、R4による電圧降下も増大しTR2のVBEが下がる。その結果TR2のコレクタ・エミッタ間の抵抗が増すので、TR2での電圧降下が大きくなりV0が減少する。結局、TR1でD1の降伏電圧を基準としてVBの電圧変動を検出し、TR2の内部抵抗を変動させてV0を常に一定に保とうとしていることになる。TR2には最大コレクタ電流の大きなものを使う必要がある。
TR2のかわりに図3・41に示すように、 トランジスタを2個、3個と用い(ダーリントン接続と呼ばれている。)VBの電圧変動を増幅して安定化の効果を増す回路も用いられる。