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同図A点の電圧V0がツェナーダイオードD1の降伏電圧よりも高くなったとすると、D1にR3を通して電流が流れ始める。V0からR3による電圧降下分を引いた値がD1の降伏電圧よりも高ければD1には電流が流れつづけ、TR1のエミッタ電圧はD1の降伏電圧に維持されることになる。一方、TR1のベース電圧VBはR2×V0/(R1+R2)で表され、V0の値によって変動する。V0が高くなるとVBも高くなりTR1のVBEが増す。そのためTR1のコレクター電流が増加し、R4による電圧降下も増大しTR2のVBEが下がる。その結果TR2のコレクタ・エミッタ間の抵抗が増すので、TR2での電圧降下が大きくなりV0が減少する。結局、TR1でD1の降伏電圧を基準としてVBの電圧変動を検出し、TR2の内部抵抗を変動させてV0を常に一定に保とうとしていることになる。TR2には最大コレクタ電流の大きなものを使う必要がある。

TR2のかわりに図3・41に示すように、 トランジスタを2個、3個と用い(ダーリントン接続と呼ばれている。)VBの電圧変動を増幅して安定化の効果を増す回路も用いられる。

 

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図3・40 定電圧回路

 

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図3・41 定電圧回路に用いられるダーリントン接続

 

3・5・3 電源回路設計上の注意

(1) 交流電圧は一般に実効値表示になっているので、正弦波のときは整流された電圧は無負荷時には交流の表示電圧のほぼ1.4倍になっている。

(2) 整流回路においてダイオードが導通状態でないときは、ダイオードにコンデンサの両端の電圧の2倍(ブリッジ形のときは1倍)の逆電圧がかかることになるので、交流電圧に応じてせん頭逆電圧がこの値以上のものを選ぶ。

 

 

 

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