図2・25は接合形FETの基本構造を示したものである。図のようにN形半導体の両側にソースとドレインと呼ばれる電極があり、その中間にP形のゲートと呼ばれる電極がある。
いま、図のようにソースとドレイン間に電池VDSをつなぐと、ソースに注入された電子は(+)のドレイン電極のほうに引きつけられ、ドレインからソースに向かって電流が流れる。この電流の流れる部分をチャンネルと呼び、この場合はN形半導体なのでNチャンネルと呼ばれる。次にソースとゲート間に、逆バイアス(ゲートが(-)になるように電池VGSをつなぐと、ゲート付近の電子は反発されて図に示すように空乏層を生じ、しかもこの空乏層は逆バイアス電圧が高くなるほど広がるので、ソース・ドレイン間の電流は制限を受けることになる。このことから、ソース・ゲート間に入力信号電圧を加えることにより、ソース・ドレイン間の電流(出力電流)が変化して、信号の増幅が行えることがわかる。ゲートにN形半導体をチャンネル部にP形半導体(Pチャンネル)を用いるものもある。ソースがトランジスタのエミッタに、ドレインがコレクタに、ゲートがベースに対応している。