であって、これは抵抗の直列・並列の関係と同じである。
1・6 静電容量とコンデンサ
2枚の金属板を対向させ、その間に空気又は誘電体をはさんだものを蓄電器、キャパシタ又はコンデンサという。その構造には金属板を対向させたもの(その対向部分の面積を変えられるものもある)、アルミニウムの“はく”の間に絶縁紙を狭んで、それを巻きつけ、対向面積を大きくしたもの(紙コンデンサ)、電解効果によって薄い絶縁性の被膜を作るもの(電解コンデンサ)などがある。
図1・8(a)に示すようにキャパシタの両端に直流電源(電池など)を接続をすると、電源の両端にある正と負の電荷は互に近づきたいので、このキャパシタの両電極に集まってくるが、そこで絶縁されているのでそこを通って相互に結合することはできない。しかし、電源を接続した瞬間には電流が流れるが、そのとき両電極に蓄えられる電気量Qは、電極の面積Sが広いほど、また、電極の間隔Dが狭いほど、さらに、電圧Vが高いほど多くなる。これを数式で示すと、
Q=ε(S/d)V=CV (1・14)
である。こゝで、εは比例常数で、Cはそのキャパシタの静電容量であり、静電容量の単位は、表1・3に示したとおりファラッドで表される。ここで比例常数εは誘電率と呼ばれ、誘電体の種類によって異なるが、空気の場合はε≒1である。このように、キャパシタに直流電源を接続すると、接続をした瞬間に電荷の移動があって電流が流れるが、あとはまったく電流は流れない。