3・6・9 CRT(Cathode Ray Tube)とその関係回路 図3・43はCRTの構造の概念を示すもので、図3・44はCRT面に映像が現れる原理を示すものである。図の左側は掃引電流、すなわち偏向コイルに流れる電流であり、右側はCRT面である。
3・6・9 CRT(Cathode Ray Tube)とその関係回路
図3・43はCRTの構造の概念を示すもので、図3・44はCRT面に映像が現れる原理を示すものである。図の左側は掃引電流、すなわち偏向コイルに流れる電流であり、右側はCRT面である。
図3・43 CRTの構造
図3・44 掃引電流とスポットの位置
いま、時間t=0で掃引電流がゼロのとき、スポットはCRT面の中心0にあり、t1、t2、t3、t4と時間が経過するにつれて電流が増加し、スポットもa、b、c、dと中心から外周に向かって移動する。すなわち、偏向コイルに流す電流をIとし、スポットの中心から移動する距離をDとするとD∝Iの関係にあり、従って、偏向コイルに流す電流を図(a)に示すように、時間とともに直線的に増加するのこぎり波の電流とすれば、それに応じてスポットはCRTの中心から時間に比例して外周に向かって移動していく。これに対し、図(b)のように時間に対して電流の増加が比例していない曲がったのこぎり波では、CRT面における位置も外周の方がつまって距離誤差を生ずる。
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