(1) 面積Aの平面に垂直に電波が入射したときは、
σ=4πA2/λ2 (9・24)
(2) 半径r、長さLの円筒の軸に直角に電波が入射したときは
σ=πrL2/λ (9・25)
(3) 半径rの球面に電波が入射したときは
σ=πr2 (9・26)
(4) 平面の法線に対してξの角度で電波が入射したとき
σ≒4πλ2/(2πξ)4 (9・27)
である。上の各式でλはレーダー電波の波長である。
9・9 レーダー反射器
小さい面積でありながら、レーダー電波をよく反射する(レーダー断面積の大きな)ものをレーダー反射器といい、小型の木船やプラスチック船などのレーダーでの探知性能を向上させるために、それらの船に取り付けられることがあるほか、航路標識である浮標にもよく取り付けられている。
このような反射器には三枚の金属板を直交させて作ったコーナ反射器や誘電体内で、電波が屈折するレンズ効果を利用したレンズリフレクターなどがある。
図9・27のaはコーナー反射器の例で、広い範囲の入射角で入射した電波はいずれも3回の反射によって元の入射方向に戻る性質をもっている。このような三角形のコーナー反射器の最大のレーダー断面積は一辺の長さをaとすれば、