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となり仮にa= 0.3m、λ=0.03m としても37.7m2となり、直径7m弱の球と同じσをもつことになる。普通はこの反射器を同図のbなどのように組み合わせた形で使用する。

レンズリフレクターの代表的なものにルーネベルグレンズリフレクターがある。これは発泡ポリスチロールの発泡率を変化させて、その誘電率ξを、中心部がξ=2、周囲部が空気と同じξ=1を持たせるようにした球体である。連続的に誘電率を変化させるのは製造上の困難があるので、実際は同心球的に何段階かに誘電率ξを変化させる。そうすると、入射した電波は図9・28のaに示すように入射と反対側の一点に集中する。そこでその点に図bに示すような反射板を置けば、電波は入射と同じ経路を逆に通って、元の方向へ平面波として反射され、大きなレーダー断面積を持つことができる。反射板に幅があるのは、垂直方向に角度φ(=30度)の指向性を持たせるためである。

 

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図9・28 ルーネベルグレンズ反射器

 

練習問題

 

(問1) 電波は、送信空中線から放射されて受信空中線に伝達するまでの伝搬経路によっていろいろな形式に分類されている。

この電波の伝わり方を示す用語とその意味について、図を用いて説明せよ。

(問2) マイクロ波伝搬の特長を述べよ。

(問3) 出力50kWの3cm波レーダーを装備するとき、カタログによる空中線は5フィートと7フィートの二種類あり、どちらを選択してよいか分からない。

最大探知距離が大きくなる方の空中線としたいが、どちらを選べばよいか。また、その理由も述べよ。

 

 

 

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