また、同じ図の破線は霧(又は雲)の中での減衰を視程別に三種類のデータとして示している。可視距離 400ft(約 120m)のよう霧中では、レーダーなはその何百倍もの電波の到達距離を有することになる。
図9・24 雨による物標の探知距離の減少
(A:10,000トンの船、B:1,000 トンの船C:小舟又はブイ)
図9・24から図9・26までは図9・18に示した3cm波レーダーを使って雨、雪(あられ)及び霧の中でレーダーの探知距離の減少を示したもので、曲線に付してあるA、B、Cはいずれの図も同じ物標を示している。すなわち、
である。
図9・24は雨による物標の探知距離の減少を示したものであって、横軸は降雨量を毎時当たりのインチ(in/hr)で目盛ってある。図の実線は雨域の外の向こう側に物標があって、雨は電波の伝搬の減衰にのみ寄与している場合で、かつ、雨が探知距離全体に均一に降っているときである。物標が雨域の中にあると、雨の水滴による反射波によって物標からの反射波をマスクし、それによって探知距離も減少する。
図9・25 雪(及びあられ)による物標の探知距離の減少(降あられ量は降水量に換算)
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