(2) 放射電力と放射抵抗
電波が空間に放射されると、これに伴って高周波エネルギーが空中線から放出され、単位面積を単位時間に通過するその量PP(これをポィンティング電力という。)は電圧(V)と電流(A)の積が電力(P)で表せるように電界E〔V/m〕と磁界H〔AT/m〕の積で表すことができる。
この電力PPを全表面にわたって計算されたものが、その空中線の放射電力である。また、空中線を電気回路と同じように考えると、空中線電流I〔A〕によって放射電力P〔W〕を生じるためには、8・6 式のZO= 120πで表されているような仮想的な抵抗R〔Ω〕が存在すると考えられ、
P= I2R ∴R=P/I2〔Ω〕 (8・7)
この抵抗R〔Ω〕を放射抵抗という。
半波長ダイポール空中線の放射抵抗は、Rr =73.13 〔Ω〕であって空中線の基礎定数としてよく用いられる数値である。
(3) 共 振
空中線から能率よく電波を放射させるために、空中線を共振させることが必要である。