管の内部を左側から見ていくと、Kはカソード(陰極)で、内部のヒーターで加熱されて熱電子を放出する。カソードのすぐ近くにはGと記したグリッド(格子)があって、このグリッドに加えられる負の電圧の高さによって、ここを通過できる電子の数が変化する。負の電圧が高くなると、ここを電子が全く通り抜けられなくなり、これによってCRTの映像面の明るさを制御できる。P1とP2はGを通り抜けた電子の流れを集束して、管面のところへ細く絞る役目をする。光線を集束するにはレンズを使用するが、 この場合の流れ(電子ビームという)を集束するのであるから電子レンズと呼ばれ、その原理は図7・11の(b) に示すように、P1とP2にかける電圧によって、等電位面を凸レンズのような形にして、電子の向きを変える作用をさせている。