以上の3つの方法が通常採用される。最近は、自己記録温度計を使って連続測定記録することが多い。
(f) 抵抗法による温度換算法
抵抗法による巻線の平均温度上昇は次の式から算出できるが、抵抗値の測定は十分に精密にし、測定用コードなどの外部抵抗は差し引くものとする。

ここに
R2;t2℃における巻線抵抗(Ω)
R1;t1℃における巻線抵抗(Ω)
t2;試験直後における巻線温度(℃)
t1;冷状態においてR1を測定したときの温度(℃)
ta;試験の最後における周囲温度(℃)
(g) 温度試験における注意事項
(i) 電気機器に近接する空気温度を基準周囲温度とする場合には、機器から1〜2m離れた箇所で機器の床上のほぼ中央の高さに温度計数本を機器又は他からの熱や通風の影響を受けないようにして、各計測値の平均値をとる。
(ii) 温度試験中、周囲温度に変化があった場合には、1時間以下の等間隔で測定した記録から全試験中最後の1/4の時間における平均値をとる。
(iii) 棒状ガラス温度計の使用範囲は、次の値をこえないこと。
アルコール -70℃〜120℃
水銀 -39℃〜500℃
(iv) 温度計球部は適量のパテなどにより、被測温体になるべくねかせて取付けること。
また抵抗、整流子、スリップリングなどのように表面温度の変化が大きい箇所の測定には熱電温度計によることが望ましい。
(v) 水銀温度計は交番磁界のあるところは使わないこと。
(vi) 周囲温度の変化と機械の温度の間には時間遅れがあるため、周囲温度はなるべく変化させないように注意し、できれば温度計の先端を油中に浸しておくとよい。油杯は直径約25mm、高さ50mmぐらいの金属円筒がよい。
(vii) 排気が吸気に直接回っているかどうかを調べ、ひどいときは対策をとること。