第273条 前条の航海灯制御盤は、各航海灯の開閉器を設置したものであり、かつ、航海灯が電球の繊条の切断その他の原因により消灯した場合、これを自動的に表示し、かつ、ブザー等により警報する装置をもつものでなければならない。ただし、総トン数500トン未満の船舶に備え付ける航海灯制御盤は、自動的に表示し、かつ、警報する装置をもつものでなくてもよい。
(紅灯及び停泊灯)
第273条の2 電気式の紅灯及び停泊灯は、常用の電源のほか予備の独立の電源からも給電することができるものでなければならない。ただし、予備として油船灯が備えられているものにあっては、この限りでない。
(信号灯)
第273条の3 信号灯は、常用の電源のほか予備の独立の電源からも給電することができるものでなければならない。
〔説明〕 船灯及び信号灯について
船灯は、海上人命安全条約及び海上衝突予防法で装備することが規定され構造、性能の詳細については、船灯試験規程に定められている。装備に当っては、灯具の基準線を正確に守って設置し、また、航海灯用電球は、船灯試験規程及びJIS F8407(船用電球)にフイラメントの寸法、構造が定められていて特殊なので、普通の電球は、決して使用してはならない。
航海灯の電源回路は、設備規程第272条で、総トン数500未満の船舶は1回路でよいとされている。
航海灯制御盤(航海灯表示器)は、航海中、電球が断線した場合、表示灯及びブザー、又はベルにより、自動的に表示するもので、これを装備する必要があるが、設備規程第273条で総トン数500トン未満の船舶では、電球の断線を自動的に表示し警報する装置は、なくても差しつかえないとされている。
信号灯中昼間信号灯は、海上人命安全条約により国際航海に従事する総トン数150トン以上の船は、装備する必要があるとされている。モールス信号灯は、沿海区域船は装備しないものもあるが、航海安全上装備することが望ましい。
信号灯器具についてはJIS F8405(船用モールス信号灯レンズ)、JIS F8455(船用昼間信号灯)、JIS F8456(船用携帯形昼間信号灯)を参照すること。