1] 国が直接管理する港湾:泰皇島港のみ
港湾管理権の地方委譲化政策により他の港湾は地方政府の管理となった。
2] 地方政府が中心であるが中央政府の関与がある港湾:大連港、上海港、広州港など約20港。
具体的には人事、財務は地方政府の手によるが事業の内容は国の関与がある。
3] 地方政府単独管理の港湾:その他、海口港
管理運営は地方政府の手によるが、主要港(厦門、福州など)については中央政府の審査が残っている。
5-4 管理体制の改革
港湾の管理組織も経済活動の改革に合わせて、見直されている。その一つの方針が管理者と経営者を分ける考え方である。港湾管理に関する法令では、1950年代に成立した港湾管理条例があるが、経済の市場化に伴って実態と法律の内容が合わなくなってきている。現在新しい港湾法、水運法、航路法の草案が出来上がっており、3月に開かれる全国人民代表大会にかけられる予定である。主な改正点は以下のとおりである。
1] 国際的なビジネスルールに即した内容とする
2] 市場経済化に合わせ競争原理を取り入れる。
3] 改革・開放の精神に即し外資の積極的導入を図る
港の商業化については、私企業による経営権を持つ会社がでてきたこと。ポートセールスが重視されてきたこと。運営企業内職員の研修・教育に力をいれ人的能力の向上を目指すようになってきたことがあげられる。
5-5 海口港の管理運営
1) 海南省政府の役割
海口港は分類上は第三番目の地方単独港湾である。その管理者は海南省政府交通部港湾管理課である。交通部は道路、鉄道、水運、航空のすべての交通を所管している。港湾管理課の役割は開発計画の立案、内航水運にかかわる料金認可、民間事業者の事業に許可を与えることなどである。このほか海岸管理、港運会社の活動内容の監督なども省政府の任務である。
実際の荷役作業は行っておらず、傘下の海南新港実業会社が行っている。