日本財団 図書館


OGMOの設立については、様々な障害が発生した。1993年の港湾近代化法の設立に際して、

・港湾労働者のストライキ

・国会への陳情活動

 

が行われ、港湾近代化法の草案ができてから成立するまで2年、港湾近代化法が成立してからOGMOが設立されるまで1〜2年かかっている。最終的には、当時の運輸大臣(BAYMA DENNIS氏)の努力と世論(国民が労働組合の意見に賛同しなかった)により、決定した。

しかし、リオ港、サントス港では、OGMOの建物の破壊、殺人まで生じており、反対者の火種は残っている。

また、小さな港(例えばペロータス港)では、荷役会社もOGMOもなく、港湾当局が直接運営しているところもある。

OGMOの設立に際しては、連邦政府は労働者が労働組合から抜けるために、1人当たり15,000ドルの一時金(賠償金)や、労働者が荷役会社を設立する時には、1人当り、5,000ドルの支援金を払った。

 

2-4 主要港湾の管理運営制度-サントス港の管理運営-

(1) 概要

現在、サントス港を管理・運営しているのはサンパウロ州埠頭公社(Companhia Docas do Estado de Sao Paulo:CODESP)であり、他にラグナ港の管理運営も実施している。

CODESPの業務は日本で言えば、海上保安庁、港長、港湾管理者、荷役会社の業務であり、

・バースの割り付け

・臨港鉄道の管理(連邦・州鉄道が乗り入れて来ている)

.タグ業務(CODESPがタグボートを所有)

・浚渫業務(CODESPが浚渫船を所有、外注もある)

・給水・給油業務(CODESPが小型タンカーを所有)

・水上警察(CODESPに500人)

・荷役作業(民営化したところは民間が荷役〉

・工事監督

 

などの業務を行っている。また、OECFローン、世銀ローンが付いている連邦工事についても、予算は連邦政府だが、工事の実施はCODESPが行っていたり、連邦担当の浚渫についても、CODESPが予算を立てて実行していたりと複雑である。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION