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(4) ベルギー国/アントワープ港

 

国からの財政支援

港湾管理者である市政府が、港湾の下部構造の整備主体であるが、基本的には40%を管理者が負担し、残りの60%を州政府からの補助を受けている。また、古い施設の改修(Renovation)では州政府の補助率が特別に80%と高くなっている。

これは、ヨーロッパ内の国々においては国から非常に高い財政支援を受けている方の部類に入っている。

 

港湾管理者の建設に係る支出

港湾管理者の建設に係る支出のうち国からの補助を受けられる一部を除いて基本的には港湾管理者の負担で資金を調達する必要がある。ベルギーにおいては、5百万BF(1BF=3.6円:1996年11月)以上の新規投資については市議会の議決が必要である。また、1千万BF(1BF=3.6円:1996年11月)以上の新規投資については、さらに知事の承認が必要になる。

 

港湾管理者の収入

港湾管理者の収入は主として、民間会社に貸し付けた下部構造の賃料(Rent and Inheritance interest)や占有料(Space Fee)及び自ら運営している岸壁使用料(Due)などとなっている。

これらの料率の決定にあたっては、投資額の回収を目的としているものの(近隣の競争相手(特にPrice LeaderとなっているのはRotterdam港)の料率の動向をみながら、貸し付けを受けたアントワープ港内の民間会社が他の競争相手と十分競争しうるようなレベルに調整している。当然これらについては市議会の審議を経て決定されている。

 

(5) フランス国/ルアーブル港

 

国からの財政支援

港湾管理者が、港湾の下部構造の整備主体であるものの、港湾管理者に理事会のメンバーとして国が参画するほか、施設整備費に対する国の財政的支援もヨーロッパ内の他国に比べて負担割合が大きいなど国の関与している度合いが大きい。

 

港湾管理者の建設に係る支出

港湾管理者の建設に係る支出のうち国からの補助を受けられる部分を除いて基本的には港湾管理者の負担で資金を調達する必要がある。ルアーブル港においては、港湾の利用料当の収入で賄うほか、港湾管理者が長期借り入れによって調達する。

 

港湾管理者の収入

港湾管理者の収入は主として、民間会社に貸し付けた下部構造の賃料(Rent and Inheritance interest)や占有料(Space Fee)及び自ら運営している岸壁使用料(Due)などの利用料となっている。

 

 

 

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