また、一部の上部構造については、公共使用(Public use)のため、港湾管理者が建設し管理しているが、残りの大部分については民間会社(Private Companies)が建設し管理を行っている。
(5) フランス国/ルアーブル港
政府(National Government)
まず、Autonomous Portsにおける下部構造に関する建設、維持管理などの決定については、港湾管理者(Port Autonome)と国が協同して決定を下すことになっている。
これは、河川(Access Channel)、外海に面する防波堤(Exterior Breakwater)、閘門(Sea Locks)については、国が建設及び維持運営費用の80%、港湾管理者が20%を負担することになっていることに見られるように、国の果たす役割が他のヨーロッパ諸国に比べて大きいことによるものである。
また、港湾区域外の灯台(Lighthouses)、ブイ(Buoys)については、国が100%費用負担して設置し、維持することになっている。また、港湾区域内のそれらについては60〜80%を国が負担する。なお、レーダー(Raders)に関しては一般的なルールはない。
閘門(Locks)、岸壁(Quays)、桟橋(Jetties)の建設については法律に基づいて国(the State)が費用の60%を負担する。特殊なターミナル(Specialized Terminal)については国または企業が60%を負担し、残りの40%を港湾管理者が負担する。
内陸への水運のための運河(Canals)については、100%国の責任において維持管理されている。
港湾管理者(Port Autonome)
閘門(Locks)、岸壁(Quay)、桟橋(Jetties)などの港湾の下部構造については、港湾管理者がその建設、維持管理主体ではあるが、40%の負担で整備し、また、維持することになっている。これらの下部構造については、港湾管理者が民間会社に長期で貸し付けており、決して売却はしないことを港湾管理者の基本戦略としている。
また、上屋(Sheds)、倉庫(Warehouses)、クレーン(Cranes)などの上部構造(Superstructure)については、一般的にすべて港湾管理者が建設及び管理運営しているが、多くの場合、民間企業にこれらの施設を使用させてカーゴ・ハンドリングやシッピングをさせている。
港湾内の産業の用に供される道路(トンネル(橋梁を含む)については、 港湾管理者が100%費用負担し、自ら管理運営までおこなっている。
他部門
港湾内の鉄道については、ラランス国鉄(French National Railways)がその建設及び維持管理費用を含めて全て自らの責任で運営している。