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各港湾管理者の理事会(Board of Directors)は、理事長、2人の副理事長(港長(Harbor Master)及び技術部長(Technical Director))、さらに港湾公団(Puertos del Estado)の評議会(Governing Council)から任命される10人以上20人以下のメンバーで構成される。この任命を受けるメンバーは、事実上(関係地方公共団体の知事、関係市の市長、関係商工会議所会頭、産業界、海上交通部門、関係民間企業、主要な貿易の労働組合の代表が選ばれている。

 

3 港湾の建設、管理及び運営における国と港湾管理者の役割

 

(1) ドイツ国/ブレーメン港

 

連邦政府(Federal Government)

連邦政府は、基本的に港湾に関しては何も関与しない。ただし、ブレーメン/ブレーマーハーフェン港が位置しているヴィーザー(Weser)川(Access channel)の浚渫、灯台、ブイ、航行援助施設(Navigational aids)、外海に面する防波堤(Exterior breakwaters)、閘門(Sea locks)の建設は連邦政府(Federal Government)の責任において行われることになっている。プレーマーハーフェン港は河口に位置しているが、ブレーメン港は河口から約70km上流に位置しているため、必要水深を常に確保するための費用は膨大なものとなる。

これは、ブレーメン/ブレーマーハーフェン港の競争相手(Competitor)でもあり、エベル川の河口から約110km上流に位置するハンブルグ港においては、この費用がなお一層重要であるが、これも同様に連邦政府の責任となっている。

このように、港湾の拡大的開発の基本条件となる大水深の確保について、連邦政府が国全体の交通体系の有るべき姿に対する計画(我が国の全総計画のようなもの)をベースに公平に議論し、扱っている。これは、我が国において港湾を自然条作から守るための施設として最も重要な防波堤の建設費用の国の負担率が高く、また、国が実際に整備をしているのと事情が良く似ている。

また、港湾から内陸への交通ネットワーク(鉄道ネットワーク、道路ネットワーク、内陸水路ネットワーク)については、基本的に連邦政府の責務で整備することになっている。

 

港湾管理者(Federal State)

泊地(Port Basin)、岸壁(Quay)、及び港湾区域内の道路(Road)、鉄道(Railway)などの下部構造(Infrastructure)については、基本的にすべて港湾管理者としての州政府(Federal State)が建設及び維持管理の責務を負っており、100%費用負担している。

ただし、鉄道の運営については、 ドイツ国鉄(German Railway Company)が行っている。また、道路に関しても、港湾内を横断するような連邦道路(Federal motorways)については連邦政府が、その責務において道路、トンネル及び橋梁の建設及び維持管理を行っている。

 

 

 

 

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