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2 港湾管理者の位置づけ

 

(1) ドイツ国/ブレーメン港

 

ドイツ(Federal Republic of Germany:FRG)においては、憲法によって港湾活動に関することは州(Federal State)の責務であると規定されている。ドイツには16の州があるが、そのうちのBerlin、Hamburg、Bremen/Bremerhavenの3つについては市が特別に州となっている(日本における政令指定都市のようなもの)。ブレーメン/ブレーマハーフェン港の港湾管理者は、このBremen州政府の行政組織である港湾・海運・国際貿易省(State Ministry of Ports, Shipping and Foreign Trade)の長である州議会議員(Senator)が務めている。したがって、港湾の所有者も形式的には州となっているが、実際上は市と州が一体となって所有者となっている。

また、この港の特徴はブレーメン港とブレーマーハーフェン港が一体となって一つの港湾を形成していることである。ブレーマーハーフェン港は行政区域上はブレーマーハーフェン市内にあるが、ブレーメン市(州)の所有となっている。これは、この2つの港が100年以上の歴史を持っており、かなり古い時期にブレーメン市がブレーマーハーフェン港の陸域をブレーマーハーフェン市から購入したことによる。

 

(2) オランダ国/アムステルダム港

 

アムステルダム港の港湾管理者(Port Authority)はアムステルダム市である。アムステルダム港では、北海からアムステルダム港までのアクセスチャネル沿いに位置する小港湾の港湾管理者である市・町と協力して、これら自治体が100%出資する株式会社を設立し、広域的な港湾管理者(Port Authority)とすることが各自治体の議会で審議されており、1997年にはその会社が設立される予定である。

 

(3) オランダ国/ロッテルダム港

 

ロッテルダム港の港湾管理者(Port Authority)はロッテルダム市である。ロッテルダム港では、アムステルダム港のように株式会社を設置し港湾管理者(Port Authority)とすることは考えられていない。

 

(4) ベルギー国/アントワープ港

 

アントワープ港の港湾管理者(Port Authority)はアントワープ市である。しかしながら、市が100%出資する株式会社を港湾管理者(Port Authority)とする条例が現在審議されており、1997年からその会社が港湾管理者となる可能性が高い。

 

 

 

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