日本財団 図書館


7-2 リースターミナルの料金政策

 

米国の港湾管理者は従来から施設を民間にリースしており、NY/NJ港では、30年間のリース契約が1999年から2003年にかけて更新時期を迎える。このような古い契約は、ターミナルを固定料金でリースし、埠頭の維持はポートオーソリティ、クレーンの維持は借り受け者というものが多い。シアトル港においてもターミナルのリース料は取り扱い貨物量に係わらず固定料金としている。

 

オークランド港においても、古いリース契約14は固定料金方式であるが、それ以外は固定料金に加え貨物取り扱いに応じた埠頭通過料を支払う契約となっている。この埠頭通過料については、ある一定の取り扱い量以上になると割引されるようになっており、借り受け者にとっては、その数量以上に貨物を集めて一個あたりの単価を下げるインセンティブが働くようになっている。従来、固定料金でリース契約を結んだNY/NJ港、シアトル港等でも、契約更新時にはある程度、従量制料金となるよう検討している。

 

最近契約したターミナルリース契約の例(オークランド港TRAPACターミナル)

港湾施設:水深12.8m、延長335m 1バース、総面積14.8ha、クレーン2基他

 

○リース料内訳:10.5百万USドル(1994/5年の場合)

固定料金:6.0百万USドル(施設投資償還分:4.5百万USドル)(レンタル分:1.5百万USドル)

従量料金:4.5百万USドル(1994/5年度)

係船料:0.3百万USドル

埠頭通過料:4.2百万USドル

保管料:0.04百万USドル

 

〇最低保証取り扱い貨物量(Revenue tons)

最初の5年間:なし

6-7年:900,000トン(75,000TEU)

8-10年:1,000,000トン(83,000TEU)

11-15年:1,200,000トン(100,000TEU)

16-25年:1,500,000トン(125,000TEU)

 

〇最低保証以上取り扱った場合の埠頭通過料割引

1-5年:15%(本則の埠頭通過料はUS$70/TEU)

6-10年:20%

11-25年:25%

 

14/APLターミナルの一部及びマトソンターミナル

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION