61) 人的要因を考慮した火災時の避難安全性に関する研究
福地信義、篠田岳思(九大)、今村照幸(川崎重工)
本研究では、年齢別の歩行特性を考慮した群集流の行動モデルを基本として、非常時の反応行動である煙層降下による歩行速度の低下や思考の遮断状態の発生を組み込んだ避難モデルを構築した。また、避難行動と煙流動の数値シミュレーション結果とを重ね合わせて、避難経路の危険度を定義し、客船の公共区画における避難行動の数値シミュレーションの結果を用いて、人的要因を考慮した避難安全性の評価を行った。

避難経路の危険度の時間変化(シナリオ3)
62) 座礁・衝突における人間信頼性
的場正明(日本海事協会)
座礁・衝突事故には、人間の行動が大いに関係する。本論は座礁・衝突事故の原因を確率的に評価するため図に示すような、欠陥樹木解析(FTA)を行い種々の要因の事故に与える影響を明らかにした。
また、確率評価に際し、同事故の構造面での解析に有効な構造信頼性の方法に人間要因を加えるために、プロログ型の論理言語を用いる方法を提案した。
想定事例の試解析により手法の有効性を確認した。

63) 船舶の乗り心地評価に関する研究(第4報)
―乗り物酔い発症時の表情の変化―
有馬正和、平井達之、細田龍介(大阪府大)
低周波動揺に暴露された被験者の表情変化を観察、計測し、乗り物酔い発症との関係を調べた。眉間の幅、眼の開き、口の開きの3つを表情パラメターとして抽出し、これらの変化から乗り物酔いの発症程度を予測、評価するための手法について検討した。その結果、第1報で提案したファジィ表情評価モデルが、乗り物酔い発症時の表情評価に有効であることを示した。

64) 数理計画手法によるコンテナ船航路の設計について
大和裕幸、小山健夫、伏見彬(東大)、角田智弘(ソニー)
コンテナ貨物はアジア圏を中心に大幅な伸び見せており、これに対応してコンテナ船の大型化、ハブアンドスポーク型の航路設定等に変化しつつある。本研究では、アジアを中心として主要な港間のODをもとに、コスト最小化問題として捕らえ、線形計画問題、混合整数計画問題を利用して、最適な航路や船型について数理的に設計を行うことを提案する。

アジア圏コンテナ船航路の設計例
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